みなさん、何かアレルギーをお持ちではないですか?アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、蕁麻疹、など多くのアレルギー疾患があります。なんと国民の30%の方が、アレルギー疾患を持っていると言われ、年々増加する傾向にあります。さらに、一人で複数のアレルギー疾患を持っている方も少なくありません。
今日まで、日本では、このアレルギー疾患に対して、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科などそれぞれの科の先生が別々に対応していました。また、アレルギー専門医ではないのにアレルギー科と看板にかかげている一部の医療機関もあり、適切な治療が行われていないこともあります。そこで、皆さんがお持ちのアレルギー疾患を総合的に診断・治療・管理することを目的としたアレルギーセンターを2017年4月に開設いたしました。将来的には1か所の外来にすべての診療科のドクターが集まって診療する体制になる予定ですが、現在は従来のアレルギー外来の診療枠で診療を行っております。
アレルギーの分野では舌下免疫療法や分子標的治療薬などの新しい治療も登場しています。日本のアレルギー疾患管理をリードするセンターを目指したいと思います。ご期待ください。
従来のアレルギー外来の診療も行っており、診断、治療、生活指導などを一貫して行っています。診断については、問診のうえ鼻内所見、鼻汁好酸球検査、皮内テスト、スクラッチテスト、プリックテスト、特異的IgE抗体検査、X線検査などの諸検査により鼻アレルギーの有無、アレルギー原因の診断を行ない、治療では、検査結果、症状の程度、患者さん自身の希望を併せて考え、アレルゲン特異的免疫療法を積極的に行っています。また花粉症シーズンには県内施設の協力によりスギ・ヒノキ花粉飛散の観測と患者動向について調査を行ない学会発表だけでなく、患者さんに還元すべく県内の各診療所、マスコミをとおして花粉飛散状況などをフィードバックし、さらに患者指導に役立てています。山梨県のスギ・ヒノキ花粉飛散の特徴や治療への留意点、花粉症で有効性が認められている初期療法についても積極的に啓蒙しています。